公開:2014/05/26 伊藤 みさ │更新:2021/10/17

塩原の大山供養田植、庄原に伝わる4年に1度の牛馬安全祈願行事

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広島県庄原市東城町に伝わる「塩原の大山供養田植」が2014年5月25日に行われました。4年に1度の供養・田植え行事。その様子を画像と動画でご覧ください。

広島県庄原市東城町に伝わる「塩原の大山供養田植」が2014年5月25日に行われました。

塩原の大山供養田植(だいせんくようたうえ)とは、“不慮の死に見舞われた牛馬の霊を供養し、飼育中の牛馬の安全、家内安全などを願って行われるもの”。

塩原の大山供養田植、庄原に伝わる4年に1度の牛馬安全祈願行事

牛が装飾品を身に着け、花笠をかぶった女性や太鼓をならす男性などが目立つため 豊作を祈願する農耕行事「花田植(はなだうえ)」を連想させますが

塩原の大山供養田植はそれとは少し違い“牛馬の供養や安全を願うことが行事の主旨”のため、神社の横に設けられた「供養棚」を牛が通る時に供養・今後の祈願をするのがメインイベント。

4年に1度のみの開催と「国指定重要無形民俗文化財」「平成24年度地域伝統芸能大賞保存継承賞受賞」という、なんだかプレミアムな行事を取材してきました。

牛への愛情感じる行事と早乙女姿の女子に注目集まる「塩原の大山供養田植」

その様子を動画でご覧ください▼


塩原の大山供養田植を動画で見る
Youtubeチャンネル


塩原の大山供養田植が行われるのは庄原市東城町塩原地区。小奴可(おぬか)小中学校が臨時駐車場となり、現地周辺までのシャトルバスがでるほど人が集まる行事です。

バス停から会場までの道の途中に石灰灰が敷かれていて、「口蹄疫対策のため」にこれを踏んで歩くよう指示されます。
塩原の大山供養田植 口蹄疫対策

さらに、めかしつけられた牛たちですがこれにも「さわらないように」とのこと。
塩原の大山供養田植 待機する牛たち

行事中はこの周辺に交通規制がかかり、道いっぱいにひろがった田植おどり隊が踊りを披露したり田んぼを囲むように練り歩いたりします。

塩原の大山供養田植 田植おどり

塩原の大山供養田植 練り歩き

牛も同じルートを通って練り歩き、神社横の供養棚をくぐって供養・安全祈願を行います。供養棚ではお経が読み上げられて、1頭1頭丁寧通っていきます。

塩原の大山供養田植 供養棚

この順番を待つ牛のオーナーさん(記事冒頭写真)は牛の頭をなでながら「しっかりやってもらおうの。もうちょっと待ってくれの。」と優しく話しかけていて、パートナーへの愛が感じられました。

塩原の大山供養田植 供養を待つ牛

供養行事が終わるとその牛たちは田に入って歩き、田を耕します。昔は実際にこのようにしていたそうですが、最近では機械でやってしまうため牛たちは田を歩く練習をしてこの日にのぞんでいるとのこと。

牛もやはり田んぼの中は歩きにくいようで、田に入る時に嫌がっていた子もいたほど。
塩原の大山供養田植 田んぼ嫌がる牛

塩原の大山供養田植 牛が歩いて耕す

耕した後はきれいにならして、早乙女と太鼓隊が登場。「太鼓田植」のスタートです。

塩原の大山供養田植 田植えの様子

歌と太鼓に合わせて早乙女姿の女性たちが米の苗を植えていく。
塩原の大山供養田植 太鼓田植えの歌

塩原の大山供養田植 太鼓田植えの様子2

塩原の大山供養田植 太鼓田植えの様子3

集まった観客やアマチュアカメラマンたちのシャッターが激しく切られます。

4年に1度の開催とあって、遠くから訪れている人も多いようでした。非常に手間と労力がかかる仕事が、機械化によって便利になっていることを感じたりこの地に伝わる伝統が垣間見れる貴重な行事でした。

塩原の大山供養田植
開催日4年に1度のみ開催(2014年は5月25日に開催)
会場庄原市東城町塩原(石神社前)
時間10時半から15時頃まで
備考庄原市観光情報サイト

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