宮藤監督が広島で、地獄映画 TOO YOUNG TO DIE! の撮影秘話語る

舞台は地獄!主人公は17才で死んた高校生(神木隆之介)と、地獄の赤鬼(長瀬智也)という超絶地獄コメディ映画「トゥーヤングトゥーダイ!若くして死ぬ」の宮藤官九郎監督が広島で映画について語りました。

主演の長瀬智也(TOKIO)・神木隆之介ほか、豪華キャストでロックな地獄を描いた宮藤官九郎監督の最新作映画「トゥーヤングトゥーダイ!TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」が、2016年6月25日から全国公開となりました。

6月21日、広島にやってきた宮藤官九郎監督が撮影秘話や見どころを語ってくれました。

宮藤監督が広島で、地獄映画 TOO YOUNG TO DIE! の撮影秘話語る

映画「トゥーヤングトゥーダイ!」は、昔から語り継がれてきた「日本人が想像する地獄」を現代版にアップデートし、死んでもそこで終わりじゃない!というポジティブでロックな地獄の世界が描かれています。

物語は、神木隆之介演じる大助が不慮の事故によってまだ17歳という若さで死んでしまうところから始まる。たいして悪いこともしていないのに地獄に落とされた大助は納得できず、また大好きなひろ美ちゃん(森川葵)に会って気持ちを確かめたい・キスしたい一心で、現世への蘇りを目指して奮闘する。

歌あり・笑いあり・胸キュンあり・感動あり…と底抜けに明るく、めまぐるしく変化していくこの地獄映画は、宮藤監督も「テーマパーク!」と表現しています。

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映画「トゥーヤングトゥーダイ!」宮藤官九郎監督インタビュー

Q:長瀬智也さんとはいかがでしたか?

宮藤官九郎監督:脚本家と出演者という形で「池袋ウエストゲートパーク」をやってその後「タイガー&ドラゴン」などこれまで沢山作品作りをご一緒させていただいていましたが、顔を突き合わせて話すようになったのは、実は最近なんです。たしか「うぬぼれ刑事(2010年夏放送)」の撮影している間に、お互い “ロックのコメディ作品って無いよね” と話したような気がします。それをどうやったら形にできるかなと企画を考えたことから、こういう話(映画)になったんです。

だから、正式にオファーした時「地獄で赤鬼になってバンドやってるっていう設定なんだけど」という僕の言葉に、普通「えっ?」となる所ですが長瀬くんは「どれぐらいの鬼ですか?」と、すぐ具体的な話になりまして。この映画に対する意気込みというか(長瀬くんの)前のめりな感じをすごく感じました。特注のギター(劇中使用)を作ってもらう工房や衣装作りの現場などにも、全部立ち会ってもらいました。完成したテーマソングもすぐに長瀬くんに送って聞いてもらったんですが、すごく気に入ってくれて、自ら「コーラスをこういう風に歌いわけるとよりカッコイイんじゃないですか?」と、歌を入れて持ってきてくれたり。


Q:「地獄」は1つのセットで撮影されたそうですが

宮藤官九郎監督:「地獄」を表現するときにフルCGを使うという選択肢もあるとは思うんですけど、日本人にとって地獄は仏教の教えに基づいていて、昔から子供がおじいちゃんとかに「悪い事をすると地獄におちるんだよ」って言われて想像していた世界ですし、CGの地獄は誰も想像してなかったと思うので、フルCGで地獄をつくっちゃいけないと思ったんです。いろいろ考えた末「あ、セットにしちゃおう」と。

実際に広いスタジオに地獄を作りました。背景は白い布に燃え盛る炎の絵を描いてもらったりして。CGで後から地獄を作るよりも、地獄の中で演じる方が役者さんのテンションが上がるんですよね。だから今回に関してはセットは欠かせないなと思いました。また、スタジオに作っちゃえば雨とか天気にも左右されないですし、時間も好きなだけ撮れますし。またCG撮影の場合は、都合上カメラを動かせない等そういう制約が出てくるんですけど、スタジオ撮影ではそれが一切なかったので、お芝居を途中で止めないで撮れたのも良かったです。

地獄をセットにしたというのは、我ながら “思い切ったな” とは思いましたけど(笑)正解だったなと思います。地獄は誰も見たことがないですけど「潜在意識の中にある地獄」を目指してたんだと思います。


クドカン(宮藤官九郎)、トゥーヤングトゥーダイ!インタビュー

Q:お気に入りのセットはありますか?

宮藤官九郎監督:いくら大きなスタジオに作った地獄とはいえスペースが限られているので、遠近法を利用して、遠くにあるものほど小さく作ってあるんです。たとえば、学校の正門が実はすごく小さかったり、校舎も500mlペットボトルくらいの高さしかなかったり。それをうまくカメラで撮ることによって、より遠くにあるものに見せられる。道も途中から歩けないくらい細くなっていて、(出来上がったセットを実際に)見たときは嬉しくなりました。「あ、こういう風に考えてくれたんだ」って。そんなふうに美術さんが一生懸命つくってくれたセットで芝居する事も含めて、役者さんの微妙な変化も映画に映し出せたんじゃないかなと思ってます。

動物のコミカルな動きも、CG無し!

Q:劇中では様々な動物も登場しましたが

宮藤官九郎監督:インコは実際は5羽くらい用意していました。動きまわるインコと、すごく遠くまで飛べるインコ、逆にじっとしてるインコ…と使いわけていました。けっこうインコの撮影は苦労しました。大助(神木隆之介)の実家シーンの撮影はほぼ1日しか使えなかったので、結局撮り切れずあのお宅のテーブルだけ借りて東京に持って帰って続きを撮りました。インコは(動物の中で)一番登場シーンが多かったので、一番苦労したという印象ですね。

アシカは、あわしまマリンパーク(静岡県)で「こんなことをやりたいんです」と絵コンテで内容を伝えたところ、「1か月ほど練習すればたぶん出来ます」と、ショーもやりながら1か月間(映画用のお芝居も)トレーニングして下さいました。なので僕が次に行ったときはすでに演技ができる状態になっていて、全く手がかからなかったです。そもそも(普通は)動物はフルCGじゃないかって思うんですが、それを全部生きた動物でやっているので、人工的じゃない分、思いがけないカットが撮れたりしました。


Q:気に入っているシーンは?

宮藤官九郎監督:苦労して撮ったので好きなシーンばかりなのですが「じゅんこ」が出てくる辺りから話が急展開していくのは、何度見ても気持ちがいいなと思います。じゅんこ(女子高生)役を皆川猿時さん(45歳)に演じて頂いたんですが、そういう設定で話が展開していっても、思いのほか皆さんついてきてくれるんだなと(笑)結構チャレンジだったのですが上手くいったなと思いました。やっぱり悪役が出てきた辺りから、映画って面白くなるんだなと思いました。


クドカン(宮藤官九郎)、トゥーヤングトゥーダイ!広島インタビュー

Q:地獄と現世を繋いでいるのが「便器」でしたが?

宮藤官九郎監督:便所が地獄と繋がってる…っていうのが、なんかいいかな、面白いかなってインスピレーションで。実際に映画の中でそのポイントが効いてきていると思います。天国の撮影は最後の最後まで難航しました。地獄のセット作りで予算を使い果たしてしまっていたし(笑)天国はロケという案も出ていたのですが、僕はどうしても、天国を現実に在るものの中で撮っちゃいけないような気がしていたので、ロケじゃないとするとこれはもう真っ白な世界で撮るしかないなと。それで、天国にいる人が空港の手荷物受取所みたいにベルトコンベアに乗ってやってくる…みたいなイメージだったんですが、それを再現するのは難しい。ベットなら可能と言われたけど、普通のベッドだと面白くないので(和式)トイレの形にしました。あと便器に人が横たわってるって…哲学的な感じもありますよね。よく分からないですけど(笑)


Q:今回は全部、絵コンテを描かれたそうですが?

宮藤官九郎監督:最初はライブシーンと動物のシーンだけの予定だったのですが、結局全カット描きました。スタッフさんは絵コンテに描いてあるものは準備しなきゃいけないって思うらしいんです。「監督、台本にないのに絵コンテに描いてあるコレ…なんですか?」と言われて「それは○○なのですが準備できますかね?」ってお願いすると「ハイ…絵コンテに描いてありますしね」と(笑)。絵コンテを使うと説得力があるなと思いました。スタッフは嫌だったと思いますが(笑)でも、絵コンテは台本よりも親切な “ガイド” としてスタッフさんに配っていました。役者さんには配らず、演じてもらったときに絵コンテよりも「こっちのほうがいいね」となったら変更したり、絵コンテがあったから逸脱できたというか。なかったら悩むだけのところにベースがあるのはよかったなと思いました。


Q:最後にコメントをお願いします

宮藤官九郎監督:地獄の映画で、主人公が死んだところから物語がスタートしています。死んだ人間が生きている人間のことを想う(地獄から現世を想う)…という、切ない部分もあるのですが、非常にポジティブで前向きな映画だと思います。「死ぬ」っていう事をポジティブに受け止められるタイトルにしたいなと思い、本来ネガティブな意味で使われる「若くして死ぬ」という言葉をタイトルにしました。タイトルは「若くして死ぬ」とありますが、「生きる」ことを考える映画なのかなって自分は思っています。けっこう情報量の多い映画なので、一回観て面白いなと思ったらもう一回観ていただきたいです。音楽映画なので、大音量で、大画面で観るのに適した映画です。是非劇場で観劇していただけたらと思います。

  *  *  *

映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』は2016年6月25日より公開スタート、出演者は長瀬智也、神木隆之介、尾野真千子、森川葵、桐谷健太、清野菜名 ほか。広島ではTOHOシネマズ緑井109シネマズ広島広島バルト11T・ジョイ東広島エーガル8シネマズ福山コロナワールドにて上映。

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edit 『 映画ニュース 』の一覧

( 記事: 伊藤 みさ )

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