せとうち広島工場はリモートワークも！カルビー創業の地に最新鋭マザー工場操業開始へ

公開：2025/01/07 伊藤みさ │更新：2025/01/07

カルビー株式会社は、2025年1月13日より広島県広島市佐伯区の新工場、
せとうち広島工場を操業開始すると発表しました。

カルビーが国内に工場を新設するのは約19年ぶり。

新工場の建設は、現在広島県廿日市市にある「広島西工場」の老朽化などに伴い行われたもの。広島西工場のそば、五日市港の埋立エリアにて2023年4月12日に起工式が行われ、建設が進められてきました。

以下は廿日市市にある2つの工場。

広島西工場（広島県廿日市市木材港北10-20）: 1986年に操業開始。ポテトチップス・Jagabee・小麦系スナックの製造を行う。
広島みやじま工場（広島県廿日市市木材港北16-9）: 広島市宇品から2006年に現在地へ移転。
2024年4月より名称を「広島工場」から「広島みやじま工場」に変更。
かっぱえびせん・さやえんどう・スナック生地等を製造し、工場見学の受け入れも行う。

カルビーグループの国内生産拠点（2020年時点の図）

そしてこの度完成・操業開始となるのが、上記2拠点とはつかいち大橋を挟んで東側（広島市側）に建設された「せとうち広島工場」です。※計画時の発表ではまず広島西工場をここに移転、2037年以降に広島みやじま工場を移転・集約させる予定

せとうち広島工場の敷地面積は約100,000平方メートルを誇り、カルビーとしては最大規模の工場。

新工場建設前の埋立エリア

面積が大きいだけでなく、以下を実現する最新鋭のマザー工場となります。

これらを実現するために様々な技術が取り入られる中、筆者が個人的に驚いたのが、「じゃがいもを使い尽くすエネルギーシステム」「工場リモートワークへの挑戦」。

カルビーの看板商品「ポテトチップス」の製造を例として挙げると、製造過程で出る芽皮や蒸気・半製品ロスまでも以下のように再利用されるという。

じゃがいもを揚げた際に発生する廃蒸気を水と熱に分解して回収。水はじゃがいも洗浄に利用し、熱は温水の生成に再利用。…そんな再生ができるとは。

メタン発酵槽・脱硫装置・ガスホルダー

さらに、既存工場に実装しているIoT技術を活用した次世代工場モデルを展開。食品業界No1レベルの自動化を行い、製造ラインの遠隔監視・外部接続（工場リモートワークへの挑戦）もされる予定とのこと。

ロボットによる製品の自動搬送

このほか、瀬戸内海に面した立地ならではの眺望と採光が確保された食堂や休憩スペースも。

バルコニー、食堂

筆者は工場勤務の経験はありませんが、未来感を感じる新工場。労働生産性（従業員一人当たり）の約6割向上を図るとのこと。

過去発表されたカルビーの資料によると、既存する廿日市の工場2拠点、ゆくゆくはこの「せとうち広島工場」に機能を移転し集約へ。完全竣工は2037年以降、という長期間にわたるプロジェクトとなっています。

また、新工場では “創業の地たる広島県における、人材育成やお客様とのコミュニケーションを深める拠点”とする計画もあるとのこと。

一般的にこういった大企業の「工場」はここで働く方以外、消費者には縁遠い場所ですが、上記のように発表されていることから、工場見学などにも新たな展開がありそうですね。

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