公開:2025/09/18 伊藤 みさ │更新:2025/09/18
原爆ドーム「特別史跡」へ格上げ、文化財保護の最高ランクに
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- 広島ニュース
原爆ドームが国指定の「特別史跡」に格上げされました。これにより法律上の保護が強化され、国の支援も手厚くなると見られます。「国内最高ランクの文化財」へ
原爆ドーム(広島県広島市)が、2025年9月18日 被爆80年の年に
国の「特別史跡」に指定されました。

日本全国に「史跡」は1900件以上あり、その中でも “学術上の価値が特に高く、我が国文化の象徴たるもの” が「特別史跡」に指定されます。2025年9月1日時点で 特別史跡はわずか64件。
広島県内では 厳島(廿日市市) / 廉塾ならびに管茶山旧宅(福山市) に続く3つ目の特別史跡となります。
原爆ドームは「世界遺産」に加え、「史跡」から「特別史跡」に格上げとなることで
法律上の保護が強化され、保存のための国の支援も手厚く。国内でも最高ランクの文化財として改めて評価されたことになります。
原爆ドームの変遷と、「特別史跡」指定で何が変わるか
1945年8月6日、人類史上初の原子爆弾が投下された広島。
原爆ドーム(元:産業奨励館)は爆心地の至近距離で被爆したものの、奇跡的に倒壊を免れました。
その後、被爆の惨禍を後世に伝えるシンボルとなっていましたが法的な保護措置は取られておらず、雨風にさらされその存在が危うい状態となっていました。
1992年に日本の世界遺産条約加盟を契機として “原爆ドームを世界遺産に!” の声が挙がります。

原爆ドームを足元から見た様子
全国的な署名運動、地域をあげての運動の結果 原爆ドームは「国の史跡」に指定(1995年)。
国は世界遺産として登録するよう委員会に推薦し、1996年 ユネスコ世界文化遺産に登録されています。
世界遺産登録で、“人類共通の宝” として認められることで 国際的認知度が高まるほか、観光振興・平和発信など様々なメリットがもたらされました。

一方、日本の文化庁による特別史跡指定では 国内最高ランクの保護対象となり 保存・修復・整備への補助が手厚くなるといいます。
建設から100年を優に超え、さらに被爆を経験したこの建物は、これまでに5度の保存工事が行われてきました。
財源不足などの理由から被爆遺構が減っていく中、「特別史跡」指定により保護力の強化、スポットへの再注目で平和発信力のアップも期待されます。
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