公開:2016/08/18 Mika Itoh │更新:2023/10/04
映画「君の名は。」神木隆之介・新海誠監督インタビュー!作画は広島出身アニメーター
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- 映画ニュース
この夏大注目のアニメ映画「君の名は。」の新海監督と声優を担当した神木隆之介さんが来広!映画の魅力についてお話を伺いました。
世界も注目する新海誠監督の最新アニメーション映画「君の名は。」が2016年8月26日より全国公開となります。キャンペーンで広島にやってきた新海監督と、主役の声優を担当した神木隆之介さんに、映画についてお話を伺いました。
『誰もが楽しめるエンターテインメントのど真ん中を、いつか作りたかった』という新海監督が描く映画「君の名は。」は、東京に住む男子高校生と田舎に住む女子高生が、夢の中で“入れ替わる” ことから展開していくドラマと恋と奇跡の物語。
映画を見てまず最初に胸を掴まれたのが、その映像の美しさと繊細さ。場面の瞬間・瞬間には写真じゃないかと感じるほど繊細に描き出された空や自然・町の風景が登場するのですが、その美しさに思わず目を奪われます。
中でも、光の描写が素晴らしく綺麗で、どんな些細な日常の出来事や風景も、キラキラと新鮮でまぶしく見えてくるほど。そして、中盤から急展開するストーリーにも、グッと引き込まれて行きます。
そして、この映画の映像美や世界観をより引き立てているのが、RADWIMPSが担当する主題歌「スパークル」。これがまたとてもいい。
この作品の作画監督を務めたのは、数多くのスタジオジブリ作品を手掛けたアニメーション界のレジェンド・安藤雅司。そして、キャラクターデザインを手掛けたのは、若者に人気のアニメーター田中将賀という、2人の広島出身アニメーターが担当しています。
君の名は。あらすじ
舞台は、千年ぶりの彗星の来訪を一か月後に控えた日本。三葉(みつは)は、山深い田舎町に暮らす女子高校生。父は小さな町の町長で、神社の家系。周囲の目が気になる年頃の三葉は、都会への憧れを強く持っていた。
「来世は東京のイケメン男子にしてくださ―――い!!!」
そんなある日、三葉は自分が男の子になる夢を見る。目が覚めるとそこは見覚えのない部屋、目の前に広がるのは眩しいほど大都会の東京。三葉は念願だった都会の生活を思いきり満喫する。
一方、東京で暮らす男子高校生・瀧(たき)も、奇妙な夢を見ていた。目が覚めると行ったこともない山奥の田舎町で、自分が女子高校生の姿になっているのだ。2人の不思議な夢は繰り返され、明らかに抜け落ちている記憶と時間。そして二人は気付く。
「私/俺たち、入れ替わってる!?」
(C)2016「君の名は。」製作委員会
互いが入れ替わっているその時間と現実を少しずつ受け止め始めた瀧と三葉は、お互いにメモを残して入れ替わっている時間の記憶を共有していく。時にケンカしながら、時に相手の人生を楽しみながら、状況を乗り切っていく。
お互いに気持ちが打ち解けてきた矢先に、突然、入れ替わりが途切れてしまう。入れ替わりながら、同時に自分たちが特別に繋がっていたことに気付いた瀧は、三葉に会いに行こうと決心するが、辿り着いた先には、意外な真実が待ち受けていた……。
以下は予告動画。
声優には男子高校生・瀧を神木隆之介、女子高生の三葉は上白石萌音が担当。その他、成田凌・悠木碧・島崎信長・石川界人・谷花音・長澤まさみ・市原悦子など。
神木隆之介&新海誠監督インタビュー!
Q:神木さんはもともと監督の大ファンだそうですが
神木隆之介:そうなんです。僕は「秒速5センチメートル」から好きになったんですが、そこから監督の作品は全部見ています。映像がとても綺麗で、写真かと思ってたんです。すごく幻想的で美しい絵でリアリティもある、うつつのような世界に憧れを抱くようになって。そこから好きになりました。今作でも景色や空・音も魅力的なんです。日常の音も心地よく表現されていて、映画の魅力の1つになっていると思います。
Q:入れ替わる役どころですが、上白石萌音さんと相談した?
神木隆之介:萌音ちゃんと相談はしてないんです。「萌音ちゃんが三葉だったら」をイメージしながら、言葉の語尾やかすれ具合など想像や理想で(演じていました)。
Q:監督から見た神木隆之介さんの魅力は?
新海誠監督:特別な声をもった役者さんだと思います。萌音さんにも感じた事なんですが、お二人とも役者さんなんですが、声に含まれてる感情がほかの役者さんよりもずっと多いんです。生まれ持ったものなのかもしれませんが、声が特別だと強く感じました。
役者さんの感情表現は全身や顔でやることが多いと思うのですが、アニメーションは絵ですので、絵にのる声である必要があるんです。声優さんはその専門家でありますが、専門家ゆえに先鋭的に声に特化しすぎている所があって、それがアニメの声の魅力でもあるんですが、
ただもう少し「現実との地続き感」といいますか、自然に欲しいという時に役者さんにお願いするとうまく行くことがあるんです。2人は普段の喋り声も、顔が見えなくても感情が伝わってくるんです。それが絵にのる声なんだと思います。
神木隆之介:この声で良かったです(笑)外見は試行錯誤することができますが、声はなかなか別人にすることは出来ないですし、一生付き合っていかなきゃいけないモノなので、その声をほめてもらえたのは凄く嬉しいです。
Q:三葉の住む町の風景が魅力的だが、モデルにした町はある?
新海誠監督:糸森町(いともりちょう)は架空の町にしたんですけど、しいて言うと僕が生まれ育った長野県の小海町の記憶が色濃いかもしれません。(誰でも共感してもらえるよう)日本人の皆が、どこかで見たことのあるような気がする町の風景を描きたかったんです。
現代のものだけではなく、街の歴史を感じるように、山の低い場所には杉の木が植えられていて、かつては林業をやっていた名残とか、田舎はいろんな時代の石垣の積み重ねが混在しているので時代を感じるように、ただの風景ではなく、風土を描くつもりで作っていった町が糸森町です。
Q:アニメーターは2人とも広島出身の方ですが、依頼されたキッカケは?
新海誠監督:そうなんです。この作品のメインのアニメーター(絵作りの中心人物)の2人とも、広島出身なんです。田中さんはもともとファンで、彼はシャープな絵を描くんです。今までジブリの丸みのある温かみのあるような絵とは少し違っていて、若い人たちが「カッコイイ」「可愛い」と思うような絵をかかれる方。今回は若い人に向けた作品というのが強くあったので、田中さんにまず原案のデザインをやってもらおうと思いました。
その上でもう1人、作画監督として安藤さんが必要だったのは、スケジュール的な理由が実はありまして、田中さんが本編中の絵を描く時間がないので、どなたか力がある方に託さなければならないとなった時に、僕の好きなアニメーターとして安藤さんの名前が上がりました。
田中さんとは飲み友達のような関係性だったのですが、安藤さんは伝説のアニメーターで、同じ業界とはいえ別の世界の方というイメージがあって、実在する方なのか?というような存在だったのですが、知り合いに紹介してもらう形で会いに行きました。
安藤さんに田中さんの絵をお願いした意図は、田中さんの絵は本当に最先端でシャープで、でもそのシャープさゆえにアニメファン以外からは苦手意識を持たれてしまうかもしれない。でも安藤さんであれば、誰もが見てきたジブリ絵をずっと作ってきた方なので、少し化学反応が起きるんじゃないかという期待がありました。
(お互いの絵のタッチが対照的なので)安藤さんも、受けるかどうか3ヶ月ほどお返事を頂けなかったんですけど、「僕の絵は“思い出のマーニー”みたいな、これが素だよ」と言われた上で、田中さんのような自分に持ってないものを自分が書くことで、この先 アニメーションの仕事をやっていく上で大事なものを見つけられるんじゃないか?と言って受けて下さったんです。凄い方ですよね。
結果的には、すごくいいものになったと思います。ちょっと見たことのないような、でも見たことのあるような、親しみのある、幅広い人たちに届くような力を持った絵に仕上がったと思います。
* * *
映画「君の名は。」は2016年8月26日より全国東宝系にてロードショー。最初から最後まで夢中になって見られる、この夏イチオシのアニメーション映画です。
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