公開:2015/11/05 Mika Itoh │更新:2015/11/05
スーパーライナー オガサワラ、江田島の解体場に115億円の超高速旅客船
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夢の高速船として東京都心と小笠原諸島を繋ぐ「海の新幹線」となるハズだったスーパーライナーオガサワラが、広島県江田島市で解体を待っていました。
江田島に白くて綺麗な巨大船が浮かんでいる。江田島の隣・倉橋島から見た風景の中で、一際目立っていました。
この船をズームで見てみると SUPER LINER OGASAWARA(スーパーライナー オガサワラ)と書いてあり、船首にはイルカもデザインされています。
スーパーライナー オガサワラは、太平洋に浮かぶ大小30からなる島々で世界遺産の「小笠原諸島」と東京都心を結ぶために造られた、超高速旅客船。
小笠原諸島の中で人が暮らしているのは、父島と母島のみ。とても美しい島ですが、東京から1000km南にあるこの島々へのアクセス方法は船しかない。
旅行会社のHISによると、東京の竹芝桟橋から父島までは25時間半かかる。なんと、同じ都内なのに移動に1日以上かかるのだそう。
それを約半分の時間(約16.5時間)に短縮できる超高速船として誕生したのが、このスーパーライナー オガサワラでした。
小笠原諸島への夢の高速船だった、テクノスーパーライナー
そんな夢の超高速船・スーパーライナー オガサワラが、なぜ江田島に?
この船が係留されているのは、江田島の解体場。江田島にやってきたのは、2014年8月25日。その時の様子がツイッターにも投稿されていました。
本日、最期の地江田島秋月の解体場へ回航される。 pic.twitter.com/n5DArw6vD9
— 山さん (@yubari_jeeper) 2014, 8月 25
The Huffington Postによると、以下の様な原因がありました。
スーパーライナー オガサワラがまだ造られている途中・2005年に、原油価格が高騰。これにより、1年に30億円にも上る赤字が見込まれることが判明した為、国土交通省と東京都は就航を断念。
スーパーライナー オガサワラの建造には115億円もかかっていましたが、なんと、晴れの日を迎えることなく解体地である江田島に運ばれてきたようです。
筆者がスーパーライナー オガサワラを見たのは、2015年11月4日。運ばれてきてから実に1年以上経過していますが、まだ表面の形はそのままでした。
同じく解体を待っていると思われる、スーパーライナーオガサワラと並んで係留されている疲れ果てた船たちとは違い、まだピカピカの巨大高速船。
何か別の形でも用途は無いものだろうか…と思うほど、このまま解体されてしまうのは惜しい姿がそこにありました。
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