AI活用の乗合バス「スマートムーバー」運行開始、広島・五日市湾岸エリアで

将来まで持続可能な交通システムを目指す、スマートムーバー

少子高齢化の進行に加えて、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、地域交通を巡る情勢は厳しくなっています。

そんな状況下で、利用者の「利便性」と事業の「効率化」の両立を図り、将来にわたって持続可能な交通システムの構築を目指し広島電鉄グループとAIの配車システムを持つNTTドコモが手を組み「スマートムーバー」を誕生させる。

また、広島市とその周辺エリアは、市街地と中山間地・過疎地が混在するエリア。「どのエリアにどういった運行形態が最適なのか」検討を進めるなかで、MaaS（マース）※を活用した新しい交通システムの試行が決定した。

スマートムーバー、都度払いや定額乗り放題も

2021年2月1日よりスマートムーバーが運行開始するのは、広島市佐伯区の五日市湾岸エリア。

画像手前・右側が運行範囲。はつかいち大橋よりも廿日市側（写真奥・左）は対象外

対象エリアは、国道2号線を境とした広島市佐伯区の楽々園・海老園・吉見園・藤垂園・美の里（一部）エリアと、その海側に位置する五日市港までの範囲（以下マップ参照）で、運行時間は9時30分～17時30分。

青の〇印が乗降場所、赤の点線が基軸経路

普通運賃（1乗車）は大人200円、小児など100円。支払いは現金または交通系ICカードが対応となっている。

デジタルチケットサービス「モビリー（MOBIRY）」利用なら、定額乗り放題パス（30日間）が大人5000円、小児2500円。

スマートムーバーと路面電車を乗り継いで広島市内まで行ける「広島市内直通券」は、大人300円、小児150円（楽々園駅or広電五日市駅～市内線各停留場） が用意される。

スマートムーバーの乗り方

スマートムーバーの特徴は、乗りたいときに、乗りたい場所で、だれでも簡単に乗車予約ができるところ。

車両デザイン・ロゴ

予約は専用の「スマホアプリ」又は「WEBサイト」から。時刻表はなく、需要（予約）に応じて配車されるため、乗車・降車ポイント（場所）、人数と利用希望時間を指定し予約完了すれば、配車が決定。

異なる複数の乗降リクエストが新たに発生した場合は、AIが効率的な配車・ルートを導き出し、リアルタイムで最適な乗り合わせ（乗り合せる組合せ）ルートに変更して運行されるという。

マックスバリュ楽々園でお買い物すると、無料チケット！

スマートムーバーの運行開始に伴い、運行エリアの交通＋商業の連携実証実験が、1カ月間行われます。

食品スーパー「マックスバリュ 楽々園店」で税込1000円以上のお買い物をした人を対象に、スマートムーバーの無料チケット（2回券）が進呈される。

なお無料チケットは、お店のサービスカウンターでレシートを提示して、QRコード読込むとモビリーで発行されるとのこと。

また、無料チケット利用者に対して、ウェブアンケートを実施。利用者データの分析・評価・課題確認を行い、アンケート回答者には抽選で1000名にアマゾンギフト券1000円分を進呈。

実証実験の期間は2021年2月1日～2月28日まで。（無料チケットの進呈及び使用可能期間）