山波とんど、尾道で歳神送る 貴重な伝統行事
尾道市民族文化財に指定された、広島県 尾道市山波町の 山波とんど行事。他の地域とはちょっと違う とんど祭りをご紹介。
お正月が過ぎた頃、地域ごとに行われるのが とんど(どんど焼き・とんど祭り という事もある)。
とんど は、お正月の神迎えの依り代(よりしろ)として用意した門松やお正月飾りを燃やして、炎や煙と一緒に天に歳神(歳徳神 とくしんじん とも言う)を再び送る意味を持ちますが
広島県尾道市 山波町で行われる 山波とんど(さんば とんど)は ただ燃やすだけの とんどとは違い、やぐらの飾り付けも 行事も「賑やか」にする!
地域での行事が年々減少していく中、尾道市民族文化財に指定され 今も沢山の人が参加する 山波とんど行事をご紹介します。
山波とんど、練り歩いて燃やして無病息災・五穀豊穣を願う!
山波とんどの様子、まずは以下の動画からご覧ください。
山波とんど が行われるのは、毎年「1月14日」に近い日曜日。2013年は1月13日(日)、山波小学校にて行われました。
山波小学校には地域の方が沢山集まり、とんど行事が行われる校庭には たこ焼き・ベビーカステラなどの 屋台が出ていたり 地域のお母さんたちも テントを張りだして炊き出しを行っており本格的に「お祭り」の雰囲気。
校庭中央には 4つ(小さいの2つ/大きいの2つ)のとんどのやぐらが立っていて、小さいやぐらには子供たち、大きいやぐらには大人の男性たちが法被を着て群がっています。
司会の方が「では準備をお願いしまーす!」と声をかけると、法被の人たちが やぐらを担ぎはじめた!
そう、 山波とんど は燃やす前にみんなで神輿(みこし)のように担いでグランドを練り歩く珍しいスタイルなのだ。
太鼓やお囃子(おはやし)に合わせて 上下に揺らしたりして上に乗っている人を落とすと歓声があがる。
(揺らして落とそうとしている)
大人たちが担ぐ2つのやぐらは 時にぶつかり合ったりして盛り上がる。
これらの意味について地元の方に伺ったところ、「意味…!? うーん…考えたことないけど…分からん!」とニッコリ(笑) あまりにも潔い笑顔だったので 深く考えないことにしました(笑)
(こんなお祭りおじさんもいて楽しそうでしたから。)
備後地域の文化情報を発信する「びんごeクラブ」によれば、とんどのやぐらの飾り付けの中で一際目立つ オレンジ色の丸い部分は「ダイダイ(橙)」。
同じ時期に、実がひとつの木に次々となる「ダイダイ」は、代々栄える という意味で縁起物として飾り付けているのだそう。また、その上には この年の干支を飾り付ける というのも山波とんど の特徴です。
この日お昼の12時にオープニングセレモニーを行い、15時頃まで練り歩き。長時間に及ぶとんど行事のクライマックスはもちろん、「点火して煙と炎で歳神を天に送る!」
その前に、やぐらに取り付けられた「燃えない」モノやビニール類を取り除きます。(エコじゃね)
飾りは縁起物のようで、一度 やぐらを倒す時にみんなが競うように飾りをとっていきます。(いっぱい集めてる人もいる)
みんなが持ち寄った 書き初め・しめ縄などのお正月飾りと一緒に燃やします。(正月飾り 松飾り しめ飾り、いつまで 飾るの!?)
火を放つと、5分ほどで焼けるやぐら。よく燃えたら、その年の恵方に向けて倒すのが 山波とんど流!(2013年の恵方は南南東!)火を放つ前に、倒す方向を予め矢印で示されます。
やぐらが倒れたと同時に それを待ち構えていたみんなが一斉に群がり、今度は『特製の餅焼き用具』を炎に投げ入れて鏡餅を焼く!(鏡開きはいつ?日にちや意味を知ろう)
とんどの煙をあびたり、とんどの火で焼いたお餅を食べると[風邪をひかない・健康な年が過ごせる]と言われているため みんなお餅を持参!
この火はあいにくの曇り空でとても寒かったのですが、この地域の人たちの熱気と とんどの火で山波地区はかなりホットでした。地域の人が集まってするこういった行事がこれからも代々続いて行くといいですね。
(山波とんどは、小学校の校舎の壁画にもなっています)
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