入船山記念館(入船山公園)
広島県呉市幸町にある入船山記念館(入船山公園)。旧呉鎮守府司令長官官舎を中心に 郷土館・歴史民俗資料館などがあり、呉の歴史をたどる事が出来きます
入船山記念館(いりふねやまきねんかん)は広島県呉市の中心部にある博物館・公園。
入船山記念館 旧呉鎮守府司令長官官舎の外観
旧海軍施設(現在の海上自衛隊呉基地)がある海側(呉港周辺)・“入船山” と呼ばれる緩やかな丘の上に在ります。
案内図
呉市立美術館や旧呉鎮守府司令長官官舎、歴史民俗資料館などがあるエリアを総称して「呉市入船山記念館(入船山公園)」と呼ばれています。
入船山記念館(入船山公園)の歴史
「入船山記念館」が指すのは多くの場合「旧呉鎮守府司令長官官舎」のこと。呉に鎮守府(海軍の本拠地)の設置が決まったことから建てられました。
もともとは明治19年(1886年)に2階建てとして建てられましたが、明治38年(1905年)の芸予地震で倒壊。同年、現存する和洋折衷様式の平屋へと再建されました。
軍政会議所として使われるほか、第7代から第32代までの約40年間にわたって司令長官とその家族が住む場所としても使用。設計はイギリスで建築を学びヨーロッパで遊学した経歴を持つ櫻井小太郎氏(呉鎮守府建築課長)。
平成4年(1992年)に修理や改造が行われ、建築当時のように館内壁面が「金唐紙」で覆われる様子も復原されています。
平成10年(1998年)、国重要文化財に指定。
明治40年(1907年)には入船山より少し海側にレンガと御影石で作られた重厚な建物、呉鎮守府庁舎(現在の海上自衛隊呉地方総監部庁舎)が建てられています。
入船山公園 園内(門から入船山記念館まで)
現在は「公園」となっているので気軽に入ることができますが、入口の門から雰囲気があります。(公園内の入園は無料)
観光用の顔出しパネルも。
司令長官をモチーフに制作・設置された顔出しパネル(2019年撮影)
その先には、呉市有形文化財に指定されている「旧呉海軍工廠塔時計」があり、今も時を刻んでいます。
旧呉海軍工廠(こうしょう)塔時計
旧呉海軍工廠塔時計は、大正10年(1921年)に呉海軍の造機部(艦艇建造など)の庁舎屋上に設置されていたもので、戦後、入船山に運ばれました。
以下は、番兵塔(ばんぺいとう)。長官官舎や海兵団等の入口に、警備の為に建てられていたもののひとつ。
番兵塔
そして以下は、旧陸軍の旧高烏砲台火薬庫(きゅうたかがらすほうだいかやくこ)。
旧高烏砲台火薬庫
呉軍港が近い休山(やすみやま)に置かれていたものが、ここに移築されています。国の登録有形文化財。
砲身(ほうしん)
郷土館
園内の一番奥にある入船山記念館(旧呉鎮守府司令長官官舎)の見学は有料。レンガづくりの「郷土館」で入館チケットを販売しています。
郷土館(券売所)
郷土館の一角が券売所になっており、そのほかは歴史を紹介する資料や制服などの展示があります。
郷土館の展示
旧呉鎮守府司令長官官舎
こちらが、公園のメインの建物・旧呉鎮守府司令長官官舎(国重要文化財)。木造平屋建で、東側は洋館・西側は和館になっており繋がっています。
洋館は主に公的な利用、和館は私的利用をしていたとのこと。
旧呉鎮守府司令長官官舎の外観
明治19年に呉鎮守府の設置が決定し、総2階建ての洋館が建てられるも、明治38年の芸予地震で倒壊。同年に、現在の木造平屋建ての和館+洋館を接合した建物になりました。
また、平成4年から3年をかけて解体と復元修理も行われています。
旧呉鎮守府司令長官官舎 和館
洋館の正面から回り込むように進んで行くと、接合された和館があり、こちらが見学者用の入口となっています。
入り口からは、順路通りに進みます。和館の入口から洋館の廊下へと進みます。
旧呉鎮守府司令長官官舎 洋館
入口の扉などにはイギリス製のステンドグラスがはめ込まれています。明治の建設当時からのもの。
洋館正面の扉
壁や天井には、全国でも珍しい金唐紙(きんからかみ)が貼られています。
もともとはヨーロッパで壁の内装に用いられた金唐革。旧呉鎮守府司令長官官舎の洋館や、司令長官が執務を行っていた部屋・客室に施されてている金唐革は、この技法を和紙で再現したもので日本の伝統工芸品。
これが、洋館・司令長官が執務を行っていた部屋・客室に施されています。
洋館の客室
洋館の食堂(長官が客を接待する部屋)
和館も綺麗に残されていますが、洋館に対して生活感を感じる空間に。司令庁長官も日常生活は馴染のある和室で過ごしていたようです。
和館の廊下
和館の床の間
呉市歴史民俗資料館
呉市歴史民俗資料館
旧呉鎮守府司令長官官舎のすぐ北側隣にある、呉市歴史民俗資料館。この呉市歴史民俗資料館では、資料展示のほか企画展などが行われています。
旧東郷家住宅離れ
入船山公園の入口・門のそばにある「旧東郷家住宅離れ」。日露戦争・日本海海戦で、連合艦隊司令長官としてロシア艦隊を破り日本を勝利に導いた東郷平八郎が、呉在任中に住んでいた家の離れ座敷で、
明治23年(1890年)からの約1年7か月間、住んでいたと言われています。呉市宮原5丁目の正円寺の山手から移築・復元されました、国の登録有形文化財。
このほか、園内には呉市立美術館があり、ここに向かう「美術館通り」には、デザインマンホールの設置もあり。(マンホールカードの配布もあり)
公園周辺には「大和ミュージアム」や「大和波止場公園」もあるため、観光・散策ルートの一つとして親しまれています。
入船山記念館の施設概要
名称 | 入船山記念館 |
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住所 | 広島県呉市幸町4番6号 |
入館料 | 一般(250円) 高校生(150円) 小・中学生(100円) |
駐車場 | 普通車:入船山公園駐車場122台 (1時間100円) 大型バス等:入船山西観光バス駐車場 12台 (無料) |
電話番号 | 0823-21-1037 |
休館日 | 毎週火曜日(ただし祝日・休日の場合はその翌日) 年末年始(12月29日〜1月3日) |
備考 | 呉市グルメ / 呉市スポット / 周辺おでかけマップ |
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