呉で走っていた路面電車、広島県にあったもう1つの市電
かつて、呉市に走っていた路面電車。当時の広島県で一番最初に誕生した路面電車が呉市電(呉電気鉄道として開業)でした。懐かしい呉市電の車体1001号が呉ポートピアパークにて展示されています。
広島で路面電車といえば、広島市内を走る広島電鉄を思い浮かべますが、約50年前までは呉市内にも路面電車が走っていました。
呉市で走っていた路面電車は、呉市電として呉市交通局が運営していました(1909年に呉電気鉄道として開業していたものが1942年に呉市電となった)。
明治時代以降の呉は、帝国海軍・海上自衛隊の拠点となっていたこともあって、人口は40万人以上。なんと、当時は広島市よりも呉のほうが人口の多い町でした。そのため、路面電車も広島県内では広島市よりも先に呉の街で走っていたのだそうです。
呉市電1001号、呉ポートピアパークにて展示中
呉市電は、1967年(昭和42年)12月に廃止されました。廃線となった後は、呉で走っていた路面電車の車体は伊予鉄道が引き継いで、愛媛県を走っていました。
今では、伊予鉄道から里帰りして路面電車 1001号が呉ポートピアパークに展示されています。
行き先は「長浜」とあります。元気よく呉の街を走っていた頃の呉市電は「川原石」から「長浜」間を以下のようなコースで走行していたようです。
川原石 → 呉陸橋 → 西本通六丁目 → 呉駅前 → 中央桟橋通 → 中通三丁目 → 四ツ道路 → 本通7丁目 → 本通9丁目 → 本通十一丁目 → 本通十三丁目 → 本通十五丁目 → 畑 → 呉越 → 中畑 → 原 → 郷 → 阿賀海岸通 → 阿賀駅前 → 先小倉 → 広大橋 → 広支所前 → 二級橋 → 広交叉点 → 臨港市場前 → 岩樋 → 津久茂 → 長浜 wikipedia参照
車体には、呉市のマークが入っています。
1001号の入口から中に入ってみると、
木の板張りの床に、ブルーの座席が左右の窓際に向かいあう形で配置されていました。
反対側を向くと、大きなエアコンのようなものが備え付けてあります。
下車の意思を伝えるためのブザー。形はとてもシンプルですね。
運賃は、大人150円 子ども80円とあります。これは伊予鉄道時代の運賃でしょうか。
レトロな運転席も間近で見られる
運転席をのぞいてみると
運転手さんの椅子はとても小さい折り畳み式。レトロなボタンが並んでいます。運転台の下には、三菱のマークも。
昭和36年からワンマン運行もスタートしていたので、車内アナウンスなどは運転手さんがここで操作していたようです。
この懐かしの呉市電1001号は、呉ポートピアパーク内にて展示されており、
9時から18時の間は、電車内に入って見学することもできます。
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