公開:2021/01/08 伊藤 みさ │更新:2021/01/09
因島水軍城は、村上海賊のお城型資料館!甲冑試着・水軍ゆかりの品展示など
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因島水軍城(広島県尾道市因島)は、村上水軍(村上海賊)の資料館。水軍の故郷に相応しい建物をと、全国的にも珍しいお城型の資料館を1983年に建設。日本最大の海賊・村上海賊の歴史や文化に触れてみて。
広島県尾道市、瀬戸内海に浮かぶ因島(いんのしま)の中央に位置し小高い丘の上に建つ、因島水軍城。
因島水軍城はお城ではなく(過去にこの場所にお城があったわけではなく)、昭和58年(1983年)に建てられた城郭風建築物。水軍のふるさと・因島にふさわしい建物として、全国的にも珍しいお城の形をした資料館が建てられました。
因島水軍城には、村上海賊(因島村上氏)の残した甲冑・刀剣などの武具や古文書など、水軍ゆかりの品々や資料が展示されています。
ちなみに城郭風建築物といえば、広島県には尾道市内にもう1つ、2019年までお城型の博物館「尾道城」が残っていましたが、現在は解体されています。
因島水軍城では、“日本最大の海賊” と言われた村上海賊に思いを馳せながら、水軍ゆかりの品や歴史の資料展示、気軽に甲冑体験ができるコーナーのほか、
武者人形による戦法会議模様の見学、村上水軍にまつわる文化・祭りの写真などが見学できます。
村上海賊(村上水軍)とは?
村上海賊とは、芸予諸島を中心に活動していた海賊(水軍)のこと。戦国時代に『日本史』を記した宣教師 ルイス・フロイスに、「日本最大の海賊」と言わしめた海賊です。
海賊というと理不尽に船を奪い金品を略奪する “パイレーツ” を想像しますが、村上海賊は掟に従って航海の安全を保障し、瀬戸内海の交易や流通の秩序を守る役目を担っていたと言われています。
村上水軍が多く用いた小型の船「小早(こはや)」戦略を工夫すれば小早でも軍船を打ち破ることができたといわれる
穏やかに見える瀬戸内海ですが、狭い海峡に船を進めると干満による激しい潮の流れが舵を狂わせることも。
特に、船乗りを悩ませる海の難所・芸予諸島で船を安全に先へ進ませるために、経験豊富で海を知り尽くした村上海賊(村上水軍)たちが巧みな航海術で船を守り、航路を先導する役目も担っていました。
また、船の警固や水先案内をするその対価として、通行料を徴収。
島々にいくつもの海城を築き、海の戦いに備えるだけでなく海の関所として東西交通を支配。瀬戸内海の覇者となりました。
参考:“日本最大の海賊”の本拠地:芸予諸島-よみがえる村上海賊“Murakami KAIZOKU”の記憶- 公式サイト
なお、村上海賊には因島・来島・能島 で同じ「村上」姓を名乗る3大勢力がありましたが、この記事で紹介している「因島水軍城」はその中の因島を本拠とした因島村上氏が残した武具や古文書などを展示する施設となっています。
駐車場からは、歩いて因島水軍城まで!
広島県尾道市因島に建てられた「因島水軍城」は、
- 本丸(水軍資料館)
- 二の丸(展示室)
- 隅櫓(すみやぐら:因島水軍まつりの写真展示)
の3施設で構成されています。いずれも丘の上に建てられており、駐車場から因島水軍城までは階段などで歩いて上がっていきます。
この道は、緩やかに見えてけっこうな勾配があるので、運動不足の体には少々きつい。不安な方は駐車場近くにある杖を借りてもOKです。
坂と階段を登り切り、正面に現れるのが本丸(水軍資料館)です。
因島水軍城:本丸(水軍資料館)
本丸(水軍資料館)の見学は、入場料が必要。
館内では広島県の重要文化財に指定された武具・古文書などが常設展示されています。海・島を本拠とした村上水軍ならではのモノも沢山あり、個性的な展示が並びます。
水軍が海戦時に使用した武器類「熊手(やがらもがら)」。漁に使うときのような先端の「かえし」や鋭さがエグい。
兜の種類(デザイン)も驚くほど種類が沢山あり、細かい装飾などもそれぞれ違っていて面白い。
以下は、県・市の重要文化財に指定されている白紫緋糸段威腹巻(しろむらさきひいとだんおどしはらまき)
「紙本著色村上新蔵人吉充(しんくろうどよしみつ)像」なども。
甲冑の試着体験コーナーでは、実際に身に着けて写真撮影することも可能です。
本丸の出入口付近には、
小さいですがグッズショップ(お土産コーナー)もあり。
因島水軍城:二の丸(展示室)
二の丸は、出入り自由(無料)の展示室。
中に入ってみると…
筆者が訪れたときは武者人形による、戦法会議模様の再現がありました。
解説の音声・ビデオもあり。
二の丸は有料での貸出し(17畳)も行っているそうなので、イベント時などは内容が異なることもありそうです。
因島水軍城:隅櫓(すみやぐら)
隅櫓(すみやぐら)も入場無料で見学できます。こちらでは、因島水軍まつりの写真が展示されています。
火まつり・海まつり など、夏にこの地域で行われている「因島水軍まつり」は、村上水軍を再現した夏祭り。
現在も毎年行われている「因島水軍まつり」は、この地ならではの伝統的な内容となっており、隅櫓(すみやぐら)ではその様子を写真で見ることができます。(実際の「火まつり」の様子・「海まつり」の様子)
因島水軍城から見下ろす「金蓮寺」には、村上水軍一族の墓も
因島水軍城のふもとには、金蓮寺(こんれんじ)というお寺があり、その周りには墓地が広がっています。
因島水軍城から直接、このお墓に続く道もつくられており、
ここには、因島村上氏一族など村上水軍代々のお墓(五輪塔)もあります。
村上海賊(村上水軍)の本拠地・芸予諸島が、日本遺産に認定
2017年、広島県尾道市と愛媛県今治市が共同で申請していた「“日本最大の海賊”の本拠地:芸予諸島」が、日本遺産に認定されました。
日本遺産(Japan Heritage)とは“世界遺産” の日本版のようなもので、2015年から文化庁が創設した制度。地域の歴史的魅力・特色・伝統などをストーリーと共に認定。
日本遺産に認定された「“日本最大の海賊”の本拠地:芸予諸島-よみがえる村上海賊“Murakami KAIZOKU”の記憶-」は、
尾道~今治をつなぐ現在の「芸予諸島」には彼らの海城や海賊らがあがめた寺社などが残っており、ここを訪れれば、瀬戸内海随一の美しい多島海とともに、「日本最大の海賊」と称された村上海賊の記憶をたどることができる、としています。
因島水軍城 | |
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住所 | 広島県尾道市因島中庄町3228-2 |
開城時間 | 9時30分~17時(入城は16時30分まで) |
休城日 | 毎週木曜日(祝日除く)、12月29日~元旦 |
駐車場 | 無料駐車場あり。50台 |
問合せ | 0845-24-0936 |
関連 | ・広島県の見学施設いろいろ ・「因島」に関する、その他の記事 |
周辺 | 尾道市グルメ / 尾道市スポット / 周辺おでかけマップ |
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