公開:2015/05/10 Mika Itoh │更新:2023/07/16
「本格ミステリーで福山にスポットを当てる映画を!」 御手洗シリーズ作者・島田氏の郷土愛
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- 広島県出身の有名人
福山の魅力にスポットを当てた本格ミステリー映画を作りたい!広島県福山市出身で映画「星籠の海 探偵ミタライの事件簿」の原作者である島田荘司の、今作にかける思い。
2015年5月8日、広島県福山市で行われた映画「星籠の海 探偵ミタライの事件簿」の記者会見で、原作者の島田荘司さんが故郷・福山市への想いを詰め込んだ映画について語りました。
原作者の島田荘司さん
記者会見で挨拶した島田荘司氏は、「福山にスポットを当てる映画を作りたかった」と、何年も構想を描いていたことや、出身地・福山市への想いなどを語りました。以下は全文、島田荘司さんの会見時のコメント。
島田氏「映画で福山の魅力を全国に発信したい」
私は福山で生まれ育ちました。そこそこ功績をあげられたんじゃないかとは思っていますが、やはり、文学は地味です。
良い作品を10年、20年と積み重ねて行かなければ、なかなか実績はあがって参りません。福山という町の知名度がなかなか浸透していかないということがあるかもしれません。
しかし、映画という華やかなメディアによれば、傑作が出来、そしてヒットさえすれば一発で、福山およびこの地域の様々な好ましい点を全国に発信し、浸透・定着させていくことが出来ると思うんです。
島田荘司さん(左)と、羽田福山市長(右)
ですから、こういう映画を作りたいと、市長とも常々話をしておりました。
島田氏「福山の3つの栄光を結ぶストーリー」
福山という町には、幕末・黒船の来航という未曽有の国難にほとんど1人で対処をした老中(今の総理大臣のような)阿部正弘がおり、彼を輩出したのは、福山藩でした。
そして古代から瀬戸内海は、陸路以上の大通りでした。非常に珍しい海で、月の引力によって三方から水が出たり入ったりします。
三方から入ってきた水がドンッとぶつかって、これ以上すすめない場所、つまり、この潮に乗って大阪や九州方面からやってきた船は、それ以上進みませんので、最寄りの港に上陸をして、潮の流出が始まる6時間「潮待ち」をしていました。そういう港町が鞆(とも)なんです。
それに加えて鞆は、焚場(たでば:船の修理工場)や波止場、雁木、常夜灯、こういう設備を古くからもっておりまして、古代の良港の条件というものを十分に整えていた港でした。
鞆という港町は古代から、日本随一の港であったかもしれないと思います。
そして瀬戸内には、戦国の覇者・信長を唯一破った村上水軍があります。
こういう様々な栄光・この3つを結ぶラインにスポットを当てるような映画を作りたいねというのが、我々(福山市長と)の悲願でもありました。そして、2016年は福山の市制100記念になります。こういう節目にこういう映画をつくりたいと市長と話をしておりました。
そこへもってきて、サクラプロデューサーがいてくれて、資金集めなど奔走して頂きまして、クランクインの日にこぎつけることが出来ました。
御手洗シリーズに欠かせない俳優・玉木宏と、和泉監督
そして御手洗です。この御手洗という人物は、ジャンルを支える代表するような人間になりつつあります。
そして日本の本格ミステリーというものは、マンガやアニメに続いて日本独自に育ってきた文業の1つになりつつあり、台湾・中国・マレーシアやシンガポール・アメリカ・イギリスに進出していきつつあります。
そういう重要なキャラクターを演じられるのは、私は玉木宏さん以外いないんじゃないかと思うようになりました。
玉木宏さんと羽田福山市長
また、私はアメリカにおりましたが、そこでなぜか日本のドラマ「相棒」だけはずっと流れておりまして、ずっとみていました。この作品をここまで育て上げられた和泉監督。御手洗モノのメガホンをとって頂けるとしてたら、和泉さん以外いないんじゃないかとも思っておりました。
その2人が、この映画で見事にタッグを組んで頂けるいうことになり、私としては大変してやったりと、大変喜んでいます。
そして背後で支える華麗にして美しい女優の方々や要さん・吉田さんといった、きらぼしのような才能が、この映画でしかもこの地方都市に一堂に会して頂けたのは奇跡のよう。感無量の想いがあります。
この映画の成功はそれだけではなく、「日本の本格ミステリー」というジャンルをより安定的にし、海外へ進出していく後押しを本国からやってくださる。そういうプロジェクトにと内心捉えております。
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