公開:2010/08/05 伊藤 みさ │更新:2021/07/13
中工場、広島市にゴミ処理場とは思えないアートな建物!工場見学も
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ゴミ処理場とは思えない美しさを持つ、広島市の中工場で【大人の社会見学】。美しいゴミ処理場でどんな風にゴミが処理されていくのか、写真と動画でたっぷりご紹介。
広島市には、ゴミ処理場とは思えない美しい佇まいの中工場(なかこうじょう)があります。
ごみ処理場というと、空気の悪そうなイメージがありますが、ここは外観も中もとにかく清潔感がある。中工場の2Fには、工場の中央を通って海辺の公園まで抜けられる、美しい空間もつくられています。
広島市では「ひろしま2045:平和と創造のまち」と題し、2045年の広島に向けて優れたデザインを町並みに加えて行くプロジェクトが進められています。
この一環として西区の消防署や、中区のゴミ処理場・中工場などが「見せる造り」になっています。“優れたデザインを町並みに加えて行くプロジェクト”の一環だけあって、展示物もアート感覚です。
動画で見る、アートな広島のゴミ処理場「中工場」
以下の動画は、中工場見学の様子。
中工場は、無料案内してもらえるゴミ処理場の工場見学も
広島市環境局のゴミ処理施設「中工場」。
建物に入ると1階にはインターホンの受付が。この見学は要予約。予約名を伝えると中に通されます。エレベーターで上がって行くと、プロジェクターが備えられた部屋へ。
まずは中工場について、5から10分程度のビデオを観賞。ゴミがどのように処理されていくのか、仕組みを簡単に知ることができます!
そして、いよいよ館内への見学へ!
中工場の内部へ!
高い階から下りながら見学して行きます。まずはこの建物がいかに計算し尽くされ、設計されたか…ということを説明されます。
この中工場は谷口吉生さんというニューヨーク近代美術館や葛西臨海水族園など沢山の建築物を設計してきた、有名な人に設計してもらったのだとか。中工場の中心部分であるこの場所から街を見渡すと正面まっすぐに平和公園と、ドームがあるそう。これも計算に入れて全体を作り上げて行ったという。
ここから見えるのは【ガス吸収棟】。
ゴミを燃やして出た有毒なガスをキレイな空気に変えるための装置。この装置がスグレモノで、中工場の煙突から出てくる煙には有毒ガスが一切ふくまれておらず「無色透明」なんです。
ニオイも一緒に焼却炉で燃やしているから、辺りに異臭がすることもないんだそうです!
お次は【灰溶融設備】。
焼却炉でゴミを燃やした後に残る灰を高温で溶かして、ガラス質の固まりにする所!コレを砕いたりして道路工事の材料にしたり。
無駄なモノは出さずに、有効活用できるモノなんですね。
中工場の「ごみピット」
全て見学ルートに沿って進んでいきます!
長い廊下のその先には…ダイオキシン等の有毒ガスを吸着除去する為の活性炭などを貯蔵する装置や、【ごみピット】と呼ばれる、ゴミを貯めるところ。
広島市内に走るゴミ回収業者が中工場にゴミを運んできて、このごみピットにゴミを落として行くのです!
ぎゃーーーー!当たり前だけど、ゴミだらけだーーー!!
1度に最高で9トンものゴミを掴むことができるというこのゴミクレーンでゴミを「掴む→運ぶ→落とす」で、ゴミピットに溜まったゴミを混ぜる。
これにより、より燃えやすくなるのだとか。ちなみに、このゴミクレーンは自動ではなくて人が操作しています。かっこいい。
ゴミクレーンがゴミを落とした時に舞い上がるチリ。見ているだけで息苦しくなりそうです。
中工場の司令塔へ!
ボイラーで作られた蒸気を使って、大きな羽根車(タービン)を回転させて発電するところ!仕組みとしては、焼却炉でごみを燃やした熱が
100度に達する → その熱で水を沸かす → 蒸気があがり高温高圧に → 羽根車をまわす ことで発電します。
実はこの発電機によって工場内の電気を全てまかなうことができるそう。余った電気は中国電力に買ってもらっているのだそうです。その金額はナント、3億6千万…!!
ここでふと思った。
「じゃあ、相当儲かるんじゃないですか?」
と、ちょっぴりイヤラシい質問をぶつけてみました。
「そう言われる方も多いんですが、実はこの工場の機器のメンテナンスに、17億もかかるんですよ」
ここまで設備が整っているため、メンテナンス費も相当かかるのだそうで。想像を超えていてビックリしました。また、ここで出た熱は近くの施設の温水プールなどに使用されており、一切無駄がないように使われているのだそうですよ。
各装置に取り付けられたカメラからの映像をこの制御室のモニターで全て見ることができます(ココは撮影NG)。
【焼却炉】では機材を斜めにして、まんべんなく火が通るように…など工夫されていました。(燃えている様子は、外からは見えません)
この吹き抜けのまっすぐの向こう側に、平和公園です。反対側、海から吹き込まれる風が夏でも涼しくて気持ちイイ。この吹き抜けは、デザインの為だけにつくられた空間。周りがガラス張りなので工場の内部が丸見えです。
中に植えられている木には意味があり、「キレイな空気がないと、木は育つことができない」ということもあり【中工場の空気はきれいですよ!】を表現するために植えられているのだとか。へぇぇーー。
最後に見たのは海側のデッキから中工場自慢の煙突を。
【ガス吸収棟】の部分でも触れましたが確かに、今もゴミはずっと燃やされているのに煙の色が見えません。
そんなエコロジーと、アトリウム(広場)をコンセプトにつくられた中工場。県外からも「参考に…」と沢山の偉い人達が見学に来るほどのゴミ処理施設です!
沢山の人が見学しにくることを想定して作られている中工場なので、見学はウェルカム!ただし、要予約となっていますので、見学希望の方は以下まで電話で予約を。(無料です)
中工場 (広島市環境局) | |
住所 | 広島県広島市中区南吉島1丁目5-1 (場所を地図で確認する) |
時間 | 9時~16時30分まで (見学時の所要時間は約60分) |
駐車場 | あり(無料) |
問合せ | 082-249-8517 |
備考 | 見学には予約が必要です。詳細は広島市のHPでご確認ください。 |
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