八重管絃祭、迫力の陸船が商店街練り歩く!
北広島町(広島県山県郡)で最古の夏祭りとされる八重管絃祭(やえかんげんさい)。陸でも荒波にもまれるようにダイナミックな動きをする「陸船」を追ってきました。
北広島町(広島県山県郡)で最古の夏祭りとされる八重管絃祭(やえかんげんさい)。毎年恒例のお祭りで、2014年は7月26日に行われました。
宮島の管絃祭は 池や河川に船を浮かべて雅楽を演奏(日本古来の音楽)する“平安時代の貴族の遊び”を平清盛が厳島神社に祭られる神をお慰めする神事として取り入れたものですが
八重管絃祭はこれにつながりがあると言われるお祭り。
海に囲まれる宮島に対して、海がなく山に囲まれた北広島町。このお祭りでは人が押して動かす陸の船「陸船」を、波に乗っているように上下左右に揺らしながら進んで行きます。
管絃祭の陸船を追跡してきた
夕方からはじまった八重管絃祭。陸船を中心にその航路を追跡してきました。この様子をまずは以下の動画からお楽しみください。
八重管絃祭 (北広島町)夏の日差しが和らぎ 日が落ち始める18時半頃、北広島町役場(中国自動車道 千代田ICすぐそば)の近くにあるショッピングセンター「サンクス」の駐車場からまず、有田丸が出港しました。
(出発地ではステージイベントも)
八重管絃祭は有田・十日市・新地と3か所の神社で神事を執り行い、それぞれの場所から陸船が「出港」。八重商店街に集結し3つの陸船が練り歩きます。
▼有田丸
▼十日市丸
▼新地丸
宮島管絃祭と繋がりがある、というのはこの3つの陸船を宮島の三姫(厳島神社には3人の女性の神が祀られている)と重ね合わせているという事なのかもしれません。
3つの陸船はそれぞれ船首に掲げられる提灯のデザインや飾り付けが少しずつ異なりますが、特に有田地区の陸船は天狗が先導するところが特徴的。(衣装は神楽のものでしょうか、かなり豪華な刺繍でした)
しかもこの天狗、サービス精神が旺盛で船の前でポーズもとってくれる。
陸船のボディは大漁旗で覆われています。これをめくると車輪付きの持ち手や骨組みで内部ができていて、大人の男性たちが数人で押して動かしています。
このため、船が上下に大きく揺れる時は、大人たちの足元がチラリと見えるのもまたおもしろいところ。
船首には縄がついていて、これを引っ張る人たちが船を上下左右に振りながら「舵」をとります。
船の上には神楽によく出てくる龍が乗っていて、上には小学生たちが笛や太鼓を演奏。船の後ろには、小さな子供たちが列を作って歌を歌いながらついていきます。
(船の上で演奏する子たち)
神輿と同じように、広い敷地があるガソリンスタンドやスーパーなどに寄りながら進んでいきます。店の人たちも店先に出て手を振る様子があたたかい。
休憩を挟みながら進み、あたりが暗くなる頃 いよいよ八重商店街へと船を進めます。
3つの陸船が往来する八重商店街、道幅はあまり広くないので陸船同士がすれ違う時はけっこうスレスレ。舵取りの腕が試される時です。
“地域のみんなで動かす陸船” は地区によって個性が出るようで、歌や太鼓が大きく鳴り響くにぎやかなものもあれば、日本海の荒々しい波に負けじと進むような勢いのあるものなど、それぞれに特徴がありました。
(陸船の上で太鼓と笛を演奏していた子供たち)
このような歴史あるお祭りが各地では少なくなってきていますが、「伝統を受け継ぐという意味もあるけど、子供たちにとっては異なる世代間との交流の場でもあるんよね」と、関係者の1人が優しい笑顔で語ってくれたのが印象的でした。
名称 | 八重管絃祭 |
---|---|
場所 | 山県郡北広島町有田 八重商店街一帯 |
備考 | 祭り開催中、八重商店街周辺は交通規制あり |
※当サイトの掲載内容は、執筆時点(公開日)または取材時点の情報に基づいています。予告なく変更される場合がありますので、ご利用の際はご確認ください。
あわせて読みたい
- 温井ダム9日間放流を発表、4年ぶり下流広場開放も
- 1月14日は「北広島町スキーの日」3ゲレンデで駐車場無料・レッスン無料などお得に!
- 筒賀の大銀杏 ライトアップとマルシェ開催、安芸太田の秋イベント
- 壬生の花田植、2022年は「無観客」で3年ぶりの開催へ
- 高速道路・浜田道が4車線化へ、大朝IC-旭IC区間が対象
- 秋色に染まる筒賀の大銀杏と龍頭峡、安芸太田町の紅葉がみごろ