大聖院(宮島弥山 大本山 大聖院)
大聖院は、宮島にある最古寺院。平安時代初期の僧で、弘法大師として知られる空海が唐(中国)より帰朝後、宮島に渡り 弥山にて修行。西暦806年に寺院を創建したと伝えらています。
大聖院(だいしょういん)は、弘法大師 空海が西暦806年(平安時代の初期)に創建したと伝えられる、宮島で最も歴史深い寺院。
大聖院は真言宗御室派の寺院で、正式名は「多喜山水精寺大聖院」。空海が唐から帰朝後、宮島の弥山で修行し、その後に開基されたのが大聖院と言われています。
大聖院の入口に建つ仁王門
大聖院は真言宗御室派の大本山であり、宮島の顔である厳島神社の別当寺(べっとうじ:神社を管理するために置かれた寺)として、祭ごとを行なっていた厳島の総本坊で、僧侶も統括してきました。
十一面観音菩薩像が祀られる「観音堂」、豊臣秀吉が朝鮮出兵の際海上安全を祈った波切不動明王座像が祀られる「勅願堂(ちょくがんどう)」など、あらゆる像や祈祷所が境内に配され、信仰する人の多さや歴史深さを感じる場所です。
初代総理大臣 伊藤博文は、ここを深く信仰し何度も訪れ、弥山の登山道の整備にも尽力したと言われています。
仁王門をくぐり長い石段へ
仁王門をくぐると 参道の長い石段が続きます。寺院や神社などの前にある石段では、一般的には山門の手前は長い階段が続いているだけですが、
大聖院では石段を上がりきったところに建つ御成門までの間に、五百羅漢や霊宝館など様々なものが並んでおり、ちょっと珍しい風景のように思います。
大般若経筒
長い階段中央には、大般若経筒(だいはんにゃきょうづつ)が手すりの下に並んでいます。
入口 階段と大般若経
このお経は三蔵法師がインドより持ち帰った経だそうで、この筒を触りながら石段を上がって参れば、無量の福(計り知れない幸福)が得られるのだとか。
大聖院茶室
入口 大聖院茶室
階段脇には、右手に豊臣秀吉が茶会を開いたこともあるという「大聖院茶室」があり。大茶会や、もみじ茶会など、季節ごとにお茶会も開かれています。
五百羅漢
五百羅漢園
階段を挟んで反対側には、五百羅漢が並ぶ庭園があります。 寒い季節になると、1体1体に毛糸の帽子を被せてある風景が見られることも。
霊宝館
五百羅漢園の側に建っているのは、霊宝館。 弥山開創1200年記念事業の一環として 平成18年秋に完成した建物で、重要文化財の不動明王や弥山仁王門の仁王像などを収蔵。
鐘楼堂
霊宝館から石段を少し上がったところにある、鐘楼堂。この鐘は、京都妙心寺の黄橦調を模した、二百貫の大梵鐘。
鐘の足元では「ねがい玉」が販売されています。
大聖院 ねがい玉
御成門
御成門
長い石段を登りきった所に、御成門があります。この門をくぐると広々とした庭園があり、それを囲むように建物が並んでいます。
古札供養壇と古札入れ
御成門をくぐってすぐ左手に、古札供養壇があります。隣に設置されている「古札入れ」に古札を入れると、後に古札供養壇でお焚き上げをしてくれるようです。
大聖院の庭園
庭園では、季節ごとに節分祭や火渡り式、宮島ローソク祭りなど、季節ごとに行われるイベントスペースとしても使われています。
庭園に集まった人に豆まきが行われた時の様子(節分祭)
納径所・受付所・御守授与所
納径所は、西国33箇所・四国88箇所等の札所(仏教の霊場)のお寺に設置されています。参詣した印として札を受けたり納める場所で、御朱印もここで頂く事が出来ます。
御守授与所には、大聖院のお守りが並んでいます。
観音堂
大聖院の敷地内で最も大きな建物、観音堂。元々厳島神社の本地仏だった「十一面観世音菩薩」が、安置されています。
客殿
客殿と観音堂は繋がるように建てられています。
賓頭盧尊者(なでぼとけ)
観音堂に設置されている 賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ:ピンドーラ バーラドヴァージャ)。
賓頭盧尊者は釈迦の第1弟子で、病を持つ人がその患部に相当する部分を手で撫でると、病気が治ると言われている “なでぼとけ”。
観音堂の「お戒壇めぐり」
観音堂の地下には「お戒壇めぐり」があります。
観音堂の地下 お戒壇めぐり
戒壇めぐりは、中国三十三観音霊場のお砂踏み道場で「胎内めぐり」とも呼ばれる。暗闇(観音様の母体)を巡ることにより生まれ変わり、様々な罪障が浄化されると言われています。
大聖院のエンマ大王(閻魔大王)
観音堂の前には、エンマ大王の像があり。エンマ大王は、仏教やヒンドゥー教などで地獄・冥界の主として、死者の生前の罪を裁く神様。除病・息災・延寿・安産等のご利益があり。
勅願堂(ちょくがんどう)
勅願堂(ちょくがんどう)は、大聖院の本堂。平安時代末期の第74代天皇・鳥羽天皇勅願道場として創建されたと伝えられています。堂内では毎日、家内安全・心願成就等の護摩祈願が行われています。
勅願堂には、豊臣秀吉が朝鮮出兵の折、海上安全を祈るため軍船宝丸の守護仏とした「波切不動明王座像」が祀られています。
極楽観音
煩悩を浄めて “108の智慧(知恵)” をいただく「百八観音霊場」。
極楽観音は、その巡礼スポットの1つ(第18番霊場)となっています。なお、広島県で「百八観音霊場」の巡礼スポットになっているのは、極楽観音のほかに、
明王院(第10番霊場)・浄土寺(第11番霊場)・西國寺(第12番霊場)・千光寺(第13番霊場)・向上寺(第14番霊場)・佛通寺(第15番霊場)・三瀧寺(第16番霊場)・大聖院(第17番霊場)となっています。
釈迦涅槃像と十六羅漢
釈迦涅槃像(しゃかねはんぞう)と十六羅漢が祀られています。その手前に釈迦の足跡を石に刻んだ仏足石(ぶっそくせき)が置かれており、その上にあがってお参りします。
摩尼殿
摩尼殿(まにでん)は、弥山の守護神・三鬼大権現の本坊御祈祷所。
三鬼大権現は大小の天狗を従え、強大な神通力で衆生を救うとされる全国唯一の鬼神で、初代総理大臣の伊藤博文も篤く信仰したといわれています。
八角万福堂
八角万福堂には、宮島七福神の大黒天(だいこくてん)、毘沙門天(びしゃもんてん)、恵比寿天(えびすてん)、寿老人(じゅろうじん)、福禄寿(ふくろくじゅ)、弁財天(べんざいてん)、布袋尊(ほていそん)が安置され、毎年7月7日に法要を行っている。
阿弥陀堂 阿弥陀如来
阿弥陀堂
阿弥陀堂には、西方浄土の仏様である阿弥陀如来が祀られています。
大師堂
大師堂
大師堂(だいしどう)は、本坊最古の建物で、弘法大師 空海が祀られています。瀬戸内海を見下ろす高台に建てられています。
遍照窟
遍照窟(へんじょうくつ)
遍照窟(へんじょうくつ)は、四国八十八ケ所の本尊が安置されています。本尊前には各四国八十八ヶ所霊場の砂が埋めてあり、その上をお砂踏みをすると四国霊場巡りと同じだけのご利益があるとされています。
境内には、愛染堂・薬師堂など、上記のほかにも幾つか建物があります。
紅葉シーズンも美しい大聖院
紅葉シーズン
大聖院は紅葉の季節も美しく秋には「もみじ祭り」が開催され、様々なイベントも行われます(大聖院の紅葉シーズンの様子)。
大聖院は白糸川沿いに位置しており、「白糸の滝」から流れ出る水は、海沿いに建てられた厳島神社まで流れています。
大聖院の施設概要
名称 | 大聖院(だいしょういん) |
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住所 | 広島県廿日市市宮島町210 |
電話番号 | 0829-44-0111 |
アクセス | 宮島桟橋より徒歩約30分 |
イベント | ・2月の節分祭(節分会開運豆まき) ・11月 火渡り式(秋季大祭) |
関連 | 広島県の神社仏閣 |
周辺 | 廿日市市グルメ / 廿日市市スポット / 周辺おでかけマップ |
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