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   公開:2017/05/15 Mika Itoh │更新:2024/05/01

広島「大野あさり」が出来るまで。あさりを襲う意外な敵も

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大野あさりの養殖が行われている、広島県廿日市市。身入りのいいプックリと大きな貝に育ち市場に出回るまで「大野あさり」はどのように育てられているのでしょうか。

広島の特産品、大野あさり(廿日市市)。広島ではアサリが春と秋に旬を迎え、身入りが良くなります。まさに、今がアサリの美味しい時期。

広島のアサリが出来るまで。あさりを襲う、意外な敵とは

大野あさりは、遠浅の砂浜で育てられます。種貝(赤ちゃん)のころは、こんなに小さな貝ですが、

あさりの種貝

大野あさりは瀬戸内海の恵みを受け1~2年かけて立派なサイズに成長し、市場へと出回るようになります。

大野あさり 市場に出回る大きさ

しかし、ここまで立派に育って世に出ていくまでには、いろんな壁が。意外な敵も潜んでいるのです。

大野あさりと海からやってくる天敵

あさりは漢字で「浅蜊」や「鯏」と書きます。大野あさりの養殖で一番の心配の種といえば、一昔前は「赤潮」でしたが、近年では外敵が増えてしまい困っているのだそう。

大野瀬戸
大野瀬戸

エイやチヌ、フグなどの魚がアサリを食べてしまうため、これらから守るために最近では養殖場にネットを張って対策をする業者が増えました。

大野あさりをエイやチヌから守る、ネット
大野あさりをエイやチヌから守るネット

しかし、ネットを張ると今度はそのネットにアオサ(海藻)が絡みついてしまい、貝の呼吸を妨げ窒息してしまう。そのため、ネットについたアオサを取り除くために、定期的にネットの張替が必要になります。

海だけじゃない、陸からもやってくる…!大野あさりの天敵

ネットを張替ながら、魚や鳥たちからアサリを守っても、ネットを破ってアサリを食べるツワモノがいます。

イノシシがアサリの養殖場を荒らす

それが、イノシシ。

宮島に生息しているイノシシが山から下りてきて、アサリを食い荒らす。ネットをマメに張替なければ、アサリが全滅してしまう可能性もあるようです。

しかし、アサリの敵はこれだけではないのです…。

貝(アサリ)を食べる「貝」も、存在する

砂浜には、アサリ以外にも色んな貝や生き物が生息していますが、怖いのはその中にいる「ホトトギスガイ」。

ホトトギスガイは、見た目こそ小さく可愛らしい貝ですが、

ホトトギスガイ
ホトトギス貝

ネバネバの液体を出して土にからませ、その固まった土がカーペット状に一帯を覆うと、その下に生息する二枚貝は窒息して死滅する。

ホトトギスガイが固めた砂
固まった砂

死んだところを、このホトトギスガイが食べにくるという、恐ろしい貝なのです。

そのため、アサリを窒息させないようホトトギスガイによって固められてしまった砂を取り除いたり、ホトトギスガイを排除する作業も必要に。

これらの様々な敵をかわして生き延びてきた大野あさりだけが、収穫され、市場に出回ることが出来るのですね。

しかし、ネットを張ると今度はそのネットにアオサ(海藻)が絡みついてしまい、貝の呼吸を妨げ窒息してしまう。そのため、ネットについたアオサを取り除くために、定期的にネットの張替が必要になります。

あさりの砂抜き方法

スーパーなどで売られているアサリは、砂抜きが済んだものが多いですが、潮干狩りなどでとってきたアサリを食べる前には「砂抜き」が必要です。

長く、砂の中で過ごしてきたアサリは、砂や泥を含んでいます。これを抜く方法は、アサリをバケツに入れ、たっぷりの海水を入れて1日置きます。できれば、間に1度、水を入れ替えてあげると完璧。(※この時も海水で)

もし海水が手に入らない場合は、海水に近い塩水を作ってあげればOK。1リットルの水に対して大さじ2強の塩を入れて塩水を作り、その水に丸1日つけておけば、貝が泥や砂を吐いて、綺麗になります。

砂抜き中。アサリが舌を出す
砂抜き中。アサリが舌を出しているかのように、ペロリと身を出す

これを怠ると、食べたときに「ジャリッ」という嫌な感触を味わうことになるので、ご注意を。また、砂抜きには、砂を吐き出させること以外にも意味があります。

スーパーなどでパックになって売られている場合(海水などが入っていないパックの場合)、あさりのうまみ成分が逃げ出してしまっているため、海水(又は塩水)という、育った環境に近づけてやることで、また新しくアミノ酸を生成し、美味しくなるのだそうですよ。

アサリ 模様や色が全部違う

ちなみに、あさりの貝殻はハマグリやホタテのように決まった模様ではなく、様々です。形は同じですが、色や模様がバラバラなのが、とても個性的ですね。

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